SSブログ
星空への招待 ブログトップ
前の10件 | -

星の数、山の数 [星空への招待]

100801h1743t.jpg上高地の星空(夏の大三角付近)

 「星の数ほど」とか「満天の星空」という表現がありますが、実際、今の日本で数えきれないくらいの星空に出遭うためには、高い山とか離島など、都会から遠く数100km離れた場所まで出かけなければなりません。
 で、星の数って何個?というと、6等星よりも明るい、肉眼で見える星の数は全天で約8千個だそうです。そのうち半数は地平線の下にあり、6等星まで見える夜空はかなり条件が良い場所に限られることを考えると、数えたことはありませんが、一度に見える星の数はせいぜい数千個でしょう。
 さらに、ご存知のように星座の数は全天で88個、1等星より明るい恒星は全天で21個しかありません。
 21個? この数には見覚えが… と思って考えてみたら、山の数でした。
日本に“山”は数々あれど、標高3,000m以上の山は全国で21座しかありません。所在地でいうと静岡・山梨・長野・岐阜・富山の5県。富士山と北アルプス11座、南アルプス9座の計21座です。上高地から見える山では、奥穂と前穂が3,000mを超えています。

 “山”の定義はよく分かりませんが、2万5千分の1地形図に名前が載っている山は全国で16,667もあります。そのうちの21座ですから、星も山も、秀でて高い、あるいは明るいものは数少ないのです。
 昨今の登山ブームもあって、「日本の3,000m峰すべて登った」という方は意外に多いかも知れません。それでは、「1等星以上の21個の星すべて見た!」という方はいますか? 南半球の星もあるので、国内では石垣島など緯度の低い地域でないと達成できません。チャレンジしてみる価値はあると思います。
 もちろん、星も山も、明るさや標高という単純な基準では計れない個々の魅力があることは言うまでもありません。    (あさお)

上高地ビジターセンター発行 『まがもだより』 No.39 (2010年9月1日)掲載
参考資料:「山を考える」 /「山の日」制定協議会作成リーフレット

福島市での日食 [星空への招待]

90722fukushima.jpg
2009.7.22 11:13 食の最大のころ、福島市での見え方


2009年7月22日(水)、全国で見られる日食。
ご存知のようにトカラ列島などでは皆既日食ですが、ここ福島市ではどのように見えるのか調べてみました。

欠け始め  9時58分
食の最大 11時13分、食分0.68
終わり  12時27分

全国各地での見え方など、アストロアーツの特集ページはこちら↓
http://www.astroarts.co.jp/special/20090722solar_eclipse/index-j.shtml


ちなみに私は、現時点では未定ながら、中国へ見に行こうかなと考えております。 国内の皆既食帯は上陸自体が難しそうなのであきらめました・・・
どこへも行かれなければ福島で見ることになりますが、7割近く欠ける部分食って、若干日光が弱くなり、暗くなるのが分かりますかね?
それよりも、東北南部ではぎりぎり梅雨が明けるかどうかの時期。 国内でも天気次第で、悲喜こもごもな観測風景が各地で繰り広げられそうですね。


小惑星 “浄土平” を知っていますか? [星空への招待]

807jododaira.jpg

明るい星から肉眼では見えない暗い星まで、夜空には無数の星が輝いています。
そして、おもな星々には固有名詞が付いていて、「浄土平」という名前の星もあることをご存知ですか?

太陽をまわる火星と木星の間に、小惑星帯があります。
地球から約3億kmのところを、小惑星「JODODAIRA」が 5.3年周期の軌道で回っています。 

標高約1600mの浄土平は周囲を山に囲まれて市街地の“光害”の影響を受けにくく、空気も清浄で交通の便も良いことから、天体観測の好適地となっています。1984年まで毎年夏に開催された天文ファンの集う星祭り「星空への招待」によって全国にも知られるようになりました。

こうした背景があり、1991年に2人の日本人によって発見された小惑星7766に、天文ファンになじみの深い「浄土平」の名前が付けられることになったのです。
小惑星「JODODAIRA」は直径約5km、明るさは16等以下で肉眼では見えませんが、浄土平天文台の望遠鏡なら写真に撮ることは可能です。

浄土平の夜空にJODODAIRAを探してみるのも楽しそうですね☆彡   (あさお)

~ ~ ~ ~ ~
浄土平にゅ~す』(印刷版)No.95 (浄土平ビジターセンター 2008年8月23日発行)に掲載

2008年の天文的こよみ [星空への招待]

たしか一昨年までは毎年更新していた「月齢」と「二十四節気」の年間カレンダー。 私のなかでの忘備録のようなものでしたが、当ブログのアクセス解析を覗いてみたら、この記事(2006年版)が 「光害防止条例」 に次いでアクセスが多いようなのです。

意外に実用性あり?? 私自身、うっかりしていて注目の天文現象を見逃したっ!ってこともあったので、2008年の分を更新します(もうじき3月ですけど・・・)。

なお詳しい解説は、AstroArtsホームページなどが参考になると思います。

今年前半はおおむね月の初め頃、今年後半は月の終わり頃が 月明かりの影響がなく、星見に適しているようです。 もちろん、“月”そのものも面白い観測対象ですので、邪魔者扱いするわけではありません!

続きを読む


25年前の天文ガイド [星空への招待]

先週 実家に帰省した際、古い 『天文ガイド』 を引っ張りだして昔をなつかしんできました(^_^;)

わたしと “星空への招待” や 浄土平 とのかかわりは
http://www012.upp.so-net.ne.jp/joudo/hosizora73.htm
http://www007.upp.so-net.ne.jp/asao-n/hosizora56.htm
↑このあたりにも書いていますが、
天文少年だった当時眺めていた『天文ガイド』の “星空への招待” の記事。
1975年~1984年まで毎年、福島の吾妻山・浄土平で開催されていた “星空への招待” は、私にとって雑誌の中でしか見られない、あこがれのイベントでした。
8月のイベントですが、レポート掲載は毎年11月号(10月5日発売)だったようです。今の見慣れた浄土平の風景と比べると、山の形は同じですが施設はかなり違います。

ちなみに当時の 『天文ガイド』 は 380円(現在は740円?)。 望遠鏡を自作するなど天文ファンの指向?も今とは違うなーと感じます。メーカー製の優秀な製品が買えるようになったせいでしょうね。

『月刊天文ガイド』 1982年11月号の表紙。 撮影場所は、浄土平の兎平駐車場ですね。
これから “星空への招待” 関連記事を、ぼちぼち覗いていきたいと思います。


8月28日の皆既月食 [星空への招待]


2007年8月28日(火)19時37分の福島の空 (皆既食の最大のころ)

StellaNavigatorにて作成。月の周りの円は、地球の影(本影と半影)を表しています。

 

夏休みにはきれいな星空と出会う機会も多くなると思います。都会と違って
浄土平で見る星空は格別。ぜひ本当の星空を体験してください。
今夏は8月12日~13日にピークとなる「ペルセウス座流星群」が新月のころで条件は最高、そして8月28日には久しぶりの「皆既月食」が全国で見られます。
地球から見て月が太陽の正反対にきて、地球の影の中にすっぽり入ってしまう
のが皆既月食。皆既中は、地球の大気をすり抜けた波長の長い赤い光が月に届き
赤黒い(赤銅色といわれます)満月が浮かぶ神秘的な星空となります。
今回は月食の始まりが月の出よりも早く、一部が欠けた状態で東の空に昇ってきます。早めに月の姿をとらえるために、東の方角が開けた観測場所を予め探しておきましょう。月食の進行スケジュールは全国どこでもほぼ同じで、下記のとおり。欠け始めは17時50分です。

福島の月の出 18時10分
皆既食の始め 18時52分 
皆既食の最大 19時37分  皆既の継続時間1時間30分
皆既食の終り 20時22分 
部分食の終り 21時23分

月食は肉眼でも楽しめますが、双眼鏡などがあればより楽しめます。最近は
「夜景モード」などの機能があるデジカメも増えているので、写真にも比較的
容易に写せそうです。
今回は月食中にみずがめ座σ星(4.8等)が月に隠される「恒星食」も同時に起こるオマケ付き。次回の皆既月食は2010年12月21日まで見られません。

 

浄土平にゅ~す』 No.87 (2007年7月19日、浄土平ビジターセンター発行)より


81.それでも冥王星は回っている [星空への招待]

↑話題の冥王星はここにいます。 13.9等

 

 8月24日、国際天文学連合(IAU)総会で、冥王星を太陽系の惑星から除外し、従来の9個から8個とする新しい定義が可決されました。

 従来の9惑星に小惑星セレス、冥王星の衛星カロン、最近「エリス」と命名された2003UB313を加えて12個とする当初案に異論が続出するなどドタバタぶりも報道され注目を集めました。長年慣れ親しんだ「冥王星」を外すことは天文学者にとってもそれほど重大な決断だったということでしょう。

 浄土平ビジターセンターで上映中のハイビジョン番組『星空散歩』のなかでも「太陽を回る9つの惑星」という説明が出てきます。修正が必要となりましたがナレーションは元NHKアナウンサーで今は亡き相川 浩さん。その部分だけ吹き替えるのは不可能です。しばらくこのまま上映するしかなさそうです。

  科学の世界では新しい発見や研究の進歩によってそれまでの“常識”がひっくり返ることはよくあることです。太陽系の未知の部分が少しずつ解明されてきた結果、ひとつ異質な存在だった冥王星がほかの8惑星と区別されたのは仕方がないというか、冷静で科学的な判断だと思います。

 月や惑星は天体のなかでも身近な存在です。新しい定義によって「惑星」の数が変わろうと、それは私たちの見方が変わっただけで星空に変化はありません。これで冥王星が消えてなくなるわけではなく、これからも太陽の周りを回りつづけます。長く“最遠の惑星”と言われてきましたが、太陽系はもっとずっと遠くまで広がっていることが分かり、新しい仲間も続々発見されています。

 教科書の書き替えが必要になる、あるいはナレーションの吹き替えが必要になるような新しい知見はむしろ大歓迎で、新しい自分の知識として取り込んでしまおうではありませんか。

 

→2006年8月17日付あさおの日記「惑星の定義が変わる?

 

 

『浄土平にゅ~す』No.82(2006年9月・浄土平ビジターセンター発行)より


見えるかな?ペルセウス座流星群 [星空への招待]

夏の夜空のお楽しみの一つといえば毎年恒例の「ペルセウス座流星群」。
7月25日頃~8月20日頃までの長期間にわたって活動する流星群です。
今年リニューアルオープンした浄土平野営場(兎平キャンプ場)を利用して
浄土平で星空観測はいかがでしょう。7/22~8/20は天文台の夏休み特別夜間開館もやっています(月曜休館、雨天中止。問合せTEL 024-543-0988)。

 

ところが、ペルセウス座流星群は8月13日(日)未明にピークとなりますが、この日は○満月過ぎの明るい月がうお座にあります。
昨年は月明かりがなく、曇りがちだった浄土平でも未明の時間帯には晴れ間から多くの流星が見られたと観測に来た方から聞きましたが、今年の場合は晴れたとしても月明が観測の邪魔をしそう(ちなみに来年は●新月で好条件です)。
 月明かりにも負けない明るい流星の出現を期待しましょう。


【2006.8.13. AM2:00 の東の空】
ペルセウス座は22時ころ北東の空に昇ってきます。


 

「浄土平にゅ~す」No.80 (2006年7月20日・浄土平ビジターセンター発行)より


80.今年の月と二十四節気 [星空への招待]

 筆者のなかでは毎年恒例の「月齢」と「二十四節気」カレンダーの更新です。

今年はおおむね月の下旬が、月明かりの影響がなく星見に適しているようです。

今回は独りよがりな独断と偏見による考察(?)はなにもありません。参考にしていただければ幸いです。

続きを読む


48.イリジウムにご用心 [星空への招待]

 8月に入ってようやく梅雨が明けましたが、いまいちはっきりしない天気が続いています。上高地はこのまま夏を実感できないまま、次の季節を迎えるのでしょうか。異常気象で季節の進行が早いといわれる今年ですが、その点、星空は暦どおり、正確です。
 曇ったり雨に降られたりしてはお手上げですが、今年も“流星の夏”が訪れます。いちばんの見モノは、12~13日が活勣のピークとなるペルセウス座流星群で、1時間あたり50個くらい流れるとされています。ただし、この数字は好条件下で、全天を1個も見逃さず観測した場合ということですので、一人で50個全部が見られると早合点してはいけません。何人かで観察していると、よそ見をしていて見逃す人が必ずいるでしょう…。ほぼ一晩中見ることができますが、今年は月齢20の下弦前の月が午後10時(上高地ではもっと遅い)ころ顔を出し、星空が明るくなってしまいますので、小さな流星は見辛いかもしれません。
 観測の際、いつも気に掛かるのが“どこに流れるのか”という問題だろうと思います。それが分かっているのなら、見るにも、写真を撮るにも苦労しなくて済むわけですが、流星群で分かっているのは、その星座に出口(輻射点という)があり、そこから四方に飛び出してくるように見えるということで、どの地点で光るかは個々の流星により、南で見えたり東で見えたり様々ですので、どちらの方角、と特定することはできません。流星とは地球大気のなかで宇宙のチリが発光する現象だから、(真上のほうより)大気の層が厚い低空の地平線に近いほうが見えやすい、と聞いたことはありますが、どうでしょう?
 ところで最近、驚くほど明るい流れ星を見た!!と早計には喜べない状況になってきました。関心のある力は耳にしたことがあるはずですが、世界中どこからでも携帯電話がかけられるシステムとして開発されたイリジウム衛星というのが、地上高度750kmに6つの軌道(1つの軌道につき11個+予備の衛星1個)で等間隔に配備されつつあり、衛星は13×4mの太陽電池パネルを搭載しているので、それが太陽光を反射し、条件によっては金星なみの-4等級に輝いて見えるそうです。

 地球のまわりを飛び回る人工衛星たちもあまり数が多くなると、夏の夜、まとわりついてくる「蚊」を連想させ、追い払いたくなってしまうのは私だけでしょうか?

 

 

「マガモ新聞」(1998年8月、上高地ビジターセンター発行)より


前の10件 | - 星空への招待 ブログトップ

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。