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29.夜空を舞う鳥たち [星空への招待]

 “鳥目”という言葉もあるくらいで、一般に鳥類は暗闇が苦手なはずなのに、闇夜のなかを飛ぶ鳥の鳴き声を聞いたことはありませんか。私が耳にしたその声は、フクロウの仲間とは明らかに違う、ギヤッギヤッというような落ち着きのない声。姿は見えませんが意外と近くを飛んでいる感じでした。トラツグミか、それともヨタカ? 声の主はだれだったのでしょう(…その後の調査でどうやら声の主はホトトギス科のジュウイチらしいこと分かりました)。
 上高地には70数種類もの野鳥が姿を見せるそうです。5月の愛鳥週間は終わってしまいましたが、今回は夜空にトリの星座を探してみました。

 

 トリにまつわる星座って、いくつくらい思い付きますか?
 まず「はくちょう座」「わし座」…“夏の大三角”を形づくる、代表的な星座と言えますね。今なら夜の10寺頃、東の空に昇ってきています。白鳥座にはデネブ、鷲座にはアルタイル(=七夕の彦星)という1等星が含まれ、その上に見える明るい星が琴座のベガ(=織姫星)。この3つの星を結ぶと“夏の大三角”というわけです。


 ほかには春の星座「からす座」がおとめ座の南にあります。これで3つ目。

 

 じつは、ほとんど知られていませんが、夜空にはトリの星座がまだまだあります。
全部で9つも。ほかに「つる座」「はと座」「くじゃく座」「ほうおう座」「きょしちょう座」「ふうちょう座」・・・ いずれも南半球の地味な星座たちですが、ご紹介します。
  「つる座」は秋の南の地平線ちかく、もとは鶴ではなくフラミンゴの姿だったといいます。「はと座」はオリオンの足元のうさぎ座の下のほう、冬に見られます。
  くじゃく・ほうおう・きょしちょう座も秋ですが、南に低く、見つけるのは難しいでしょう。鳳凰はフェニックス、500年の寿命がくるたびに自ら焼け死んで灰の中から再び甦ってくるという不死鳥です。

 きょしちょうとは、くちばしの大きな鳥、つまり巨嘴鳥で、南半球に行くと見られる小マゼラン星雲はこの星座にあります。
 ふうちょう座とは、風鳥座。英語では“Bird of Paradise”、極楽鳥のことですが、日本からはまったく見えない星座のひとつです。

 双眼鏡を片手に、夜空の探鳥会というのも面白そうですね。上高地にはいない、珍しい“鳥”を発見できそうじゃないですか?

 

「マガモ新聞」No.150(1997年6月8日、上高地ビジターセンター発行)より


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